理事長所信

 

第51代理事長 酒井 康生

はじめに

 私たち一般社団法人箕面青年会議所(箕面JC)は、49年間の長きにわたり、「明るい豊かなまちづくり運動・活動」を継続的に行うことで、また、多くの地域リーダーを輩出し続けることで、箕面のまちとともに成長を続けてまいりました。そして、次年度節目の50周年を迎え、これまでの歩みを振り返ると共に、さらなる未来のための運動・活動指針を示していく時期に差し掛かろうとしております。

昨年、シンガポールが建国50周年を迎え、私は偶然にその場に居合わすことがあり、国の勢いを肌で感じました。我々が現在生きている時代は、世界のグローバル化が急速に進み、そして、SNSなどを通じて世界中が簡単につながることができる激動の時代です。そのような時代にあって、建国以来半世紀という期間をかけて、国土が狭く、資源が乏しいにも関わらずシンガポールが目覚ましい発展を遂げてきたことは疑いようのない事実です。その背景には国際的な舞台においても強いリーダーシップを発揮し、国民の共感を得ることのできる指導者及び地域リーダーたちが存在し、彼らが勇気と情熱をもって、戦略的かつグローバルな視野をもって幾多の困難を乗り越えてきた歴史がありました。大阪府の一市町村である箕面において、そして、激動の時代において、これからのまちづくりに貢献できる地域リーダーは、シンガポールと同様にグローバルな視野をもって、戦略的なまちづくりを行っていくことができなければならないと考えます。そこで、箕面JCは、これまでの素晴らしい伝統を止めることなく、さらなる激動の時代において、より一層の飛躍を遂げ邁進していくために、国際的理解を深め、グローバルかつ戦略的にまちづくりを行うことのできる地域リーダーを積極的に育てていかなければならないと考えます。

次に、箕面市は住みやすさランキングで全国でも上位にランキングされるなど、まちづくりに成功しており、成熟したまちとして発展してきております。そのような中で、箕面のまちはさらなる発展を遂げるべく、まちづくりにおいては北大阪急行南北線の延伸、それに伴う船場地域の活性化、新名神高速道路の開通など大きな動きがあります。そして、これらの大きな変化によって、箕面のまちは居住人口や交流人口が大きく増加することが予想され、多種多様な人や物が行き交うまちへと変貌していくことになると思われます。他方でこのような大きな変化は地域としてのアイデンティティーなどを損なう危険性も孕んでおります。昨今、日本各地で地域のアイデンティティーや伝統文化が衰退傾向にあると指摘されており、箕面のまちにおいてもそれは例外ではなく、まちのインフラ面の発展に伴って、大切な地域性が衰退することが危惧されます。そこで、箕面JCにおいてはインフラ面における大きな変化があることを踏まえた上で、地域性をより大切にしたまちづくり運動を展開していく必要があると考えます。

 

箕面のまちの地域力を再興する

箕面というまちは、子育てのしやすい自然豊かなベッドタウンとして大きな発展を遂げ、市民の多くは、高度経済成長とともに、自然と都市部の双方のメリットをバランス良く享受しながら、そして、地域のアイデンティティーを育みながら、明るく豊かに暮らしてくることができました。

他方で、昨今、全国において、地域としてのまとまりが弱まってきている、それに伴い地域の子供を地域で育てるという力が弱まってきている、自分自身の子供にしか関心を示さない大人が増えてきていることなどが指摘されております。子育てに力を入れている箕面市においてもそれは例外ではなく、箕面のまちの子供は箕面という地域全体で育てるという地域力が徐々に減退してきているように思います。我が子だけでなく、地域全体で地域の子供を育てていくということは、箕面のまちの健全な発展にはなくてはならないものであると考えます。

 そこで、本年度、箕面JCは、子育てにおける地域力の再興を目指し、子育てのしやすい自然豊かなベッドタウンとしての箕面のまちの活性化と発展を全力で目指します。地域リーダーとして、また、青年経済人として、我々の培ってきたノウハウを活かした手法で、箕面のまちづくりをさらに充実・発展させるために、地域力の再興という形で箕面のまちに活気をもたらします。

 

箕面の未来を共に創造していく

箕面の未来を創造していくのは誰か。

箕面のまちづくりに大きな影響があるような事項に関しては、市民の積極的な関与の促進、市民への迅速かつ適切な情報提供、議論や意見交換の場の創設などを通じて、能動的かつ積極的に箕面のまちづくりに寄与していきたいと考えております。特に、地域社会と国家の健全な発展を図るために、公平・公正な選挙の実現に向けた公開討論会の実施などを積極的に行っていきたいと考えます。

また、箕面のまちづくりは、市民一人ひとりが創造していくものであると同時に、行政・民間を問わず各種団体が協働で行っていくものです。大きな変化の時代だからこそ、箕面JCも箕面のまちづくりに携わる一員として、大きな担いがあると感じており、各種団体との連携、市民の皆様へのまちづくり運動に対する啓蒙活動などを積極的に行っていきます。地域との絆をこれまで以上に強固にしていくべく、他団体との連携も強化していきます。

 

箕面の子供たちの心身を育む

 箕面というまちには、多くの地域コミュニティーが存在し、箕面まつりをはじめとする各種地域活動を通じて、子供たちは多くの経験を積むとともに、地域に愛着を感じながら、着実に成長しています。箕面のまちを、大阪を、そして日本の将来を担う子供たちの育成は、まちづくりの原点であり、箕面JCは本年度も子供たちの心身の育成に力を注いでいきます。

そこで、昨年度から箕面JCでの開催を実現した「わんぱく相撲箕面場所」を本年度も実施いたします。相撲を通じて、日本の伝統・文化を学び、勝ち負けのある勝負事における礼節を学ぶことで日本人らしさを学べるようにします。また、子供たちに継続的にチャレンジできる機会を提供することで、一定の目標に向かって努力を惜しまない気持ち、日々の鍛練の成果を本番で発揮することの重要性を学んでもらい、心身ともに大きな成長を促していきたいと考えております。

地域の力で、地域の子供たちの心身を育むことを継続して行っていきます。

 

天与の能力を開花させ、共感力のあるリーダーを育成する

私たちは、激動の時代にあっても、その時代の流れを感じ取り、強いリーダーシップを発揮して、周囲の共感を得ながら、箕面のまちの発展に寄与できる地域リーダーを育成することが使命であると考えており、これまでも、そしてこれからもそのような運動を継続していかなければならないものと考えております。

昨今は、世界のグローバル化が急速に進み、SNSの発展がさらにこれを後押しし、誰でも、いつでも、どこででも、自身の考えや意見を表明することができるようになり、そのような機会は飛躍的に増えてきております。他方で、表明する考えや意見に中身が伴わず、道徳からはずれた発言・意見も散見され、倫理観の欠如などが指摘され、問題視されております。

本年度、箕面JCは、各種事業などに全力で取り組むことを通じて、メンバー個々の、地域社会と国家の健全な発展及び世界の平和と繁栄に寄与することができるだけの知識、教養、国際的理解及び戦略的思考力を身につけた、グローバルな活躍ができる地域リーダーを育てます。全身全霊をもって事業に取り組むことを通じて、地域リーダーとしての素養を開花させ、これまで以上に共感力を向上させます。地域リーダーとして多くの人間を巻き込んで運動・活動を展開していくために、自身の信念を強くそして確実に発信していくことを探求していきます。

 

共に活動する同志を増やす

 私たちは、まちづくり運動・活動の意義を日々感じながら、運動・活動を展開しております。我々の運動・活動は、これからの箕面を、大阪を、日本を、より一層成熟した輝かしいものへと変革するものであることを確信しております。そして、そのような大きな志に共感し、共に活動してくれる仲間をひとりでも多く求めていきたいと考えております。昨年度も、箕面JCは多くの新入会員を迎えることができ、会員の増加に伴って組織が活性化され、活気が溢れていることを実感しております。この流れを止めることなく、さらなる活性化、発展を目指して、20名拡大を目標に掲げ、拡大活動に全力で邁進していきたいと考えます。

 

地域に信頼される組織づくり

 これまでの長い歴史を通じて、箕面JCの運動は箕面のまちに着実に根付いてきていると感じております。ただ、箕面JCの運動内容を社会により浸透させることで、そして、より理解してもらうことで、活躍の場はもっと広げることができると考えます。箕面のまちにおける広報、ブランディングにはより一層の力を注いでいかなければならないと考えます。

そして、そのような過程を通じて、組織は、賛否両論の様々な意見を受け入れることとなりますが、結果として、組織はより強く、着実に、ぶれない信念をもって運動・活動することができると考えますし、地域の信頼を勝ち得ることになるのではないかと考えます。

 本年度、箕面JCは、適正な会計処理を前提とした確固たる組織作りと共に、これまで以上に、組織のブランディングに力を注ぎ、我々の運動・活動を通じて、地域に信頼される組織づくりを継続していきたいと考えております。

 

むすびに

 ハナは大輪の花を咲かせることで自身に誇りを与えると共に、周囲に活気と喜びをもたらし、多種多様なハナが共に咲き誇ることで、ハナは色鮮やかな誇り高き様相を示すことができ、地域に彩りに満ちた活気と喜びをもたらすことができます。

本年度の箕面JCは、「共に咲く喜び」をスローガンとして、メンバーが一丸となって、様々な事業を全力で展開し、箕面のまちに地域の「華」を数多く咲かせます。

箕面のまちづくりにおける皆様からの期待に応えるべく、地域の力を再興するための積極的な運動を展開してまいります。

 

 

「スローガン」共に咲く喜び

~箕面に地域の華を咲かせよう~

「基本理念」 必死に生きてこそ、その生涯は光を放つ。

「基本方針」 地域力を再興する。

「行動指針」

    箕面のまちの地域力を再興する事業の実施

    箕面の未来を共に創造していくための事業の実施

    箕面の子供たちの心身を育む事業の実施

    共感力のあるリーダーを育成する事業の実施

    共に活動する同志を増やす事業の実施

 

    地域に信頼される組織づくりのための事業の実施